間違えやすい、口内炎と口腔がん
2023年2月28日
皆様、こんにちは。
北九州市小倉北区の二階堂歯科医院です。
よく「疲れた時に口内炎ができやすい」と耳にしますが、実は口内炎にはさまざまな種類があります。
また、ただの口内炎だと思って放置していたら、実は「がん」だったという場合もあります。
口内炎とは、口腔粘膜の炎症のことを言います。
赤くはっきりとした縁どりで円形の白っぽい潰瘍です。
唇や頬の内側、舌、歯ぐきなど口腔内のどこにでもできることがあり、痛みを伴うことも多いですが、1~2週間で治ることがほとんどです。
口内炎にはいくつかの種類があり、免疫力の低下による「アフタ性口内炎」、口腔内の細菌やウィルスの増殖による「細菌性・ウィルス性口内炎」、誤って噛んだ部分や火傷などの傷がきっかけでできる「カタル性口内炎」、金属や食物などのアレルギー反応でできる「アレルギー性口内炎」、喫煙習慣による「ニコチン性口内炎」などがあります。
舌がんとは、舌の前方3分の2と舌の縁、下面に発生する悪性腫瘍のことです。
口腔内にできるがんの中で最も発生頻度が高く、50%以上を占めるのが「舌がん」です。
舌がんは男性に多く、50~70歳代の中高年に多くみられますが、20~30歳でも発症することはあります。
原因ははっきりとはわかっていませんが、飲酒や喫煙などによる化学物質による刺激や、歯並びなどで常に歯が当たっていること、むし歯や入れ歯などで物理的に刺激が加えられ続けることで誘発されるのではないかと考えられています。
症状としては、硬いしこりがある、舌の粘膜に色の境目が不明瞭でいびつな形の変色がある、粘膜の表面がふやけたようにボコボコしている、口内炎のような症状が2週間以上改善しない、などがあります。
進行すると痺れや麻痺、味覚障害、舌を動かしにくくなる、などの症状も現れます。
口内炎は何もしなくても痛みがあるなど、痛みの症状が強いのが特徴ですが、舌がんはよほど大きくならないと痛みが出ないことが多いです。
また、触ると硬いしこりがあるのも舌がんの特徴で、色の変化も口内炎が赤い縁取りのように境界がはっきりしているのに対して、舌がんは境界が不明瞭なぼやけた色の変化をしています。
そして、通常の口内炎は2週間程度で改善していきますが、舌がんは2週間経過しても小さくなったり改善したりすることがありません。
口内炎と舌がんの違いは、ご自身では見分けが難しいこともあります。
もし舌がんであった場合でも、早期発見であれば比較的治りやすいがんだと言われていますので、できるだけ早く発見することが重要です。
口内炎が2週間以上経過しても症状が改善しない場合や、いつもと何かが違うなと感じた場合には、歯科口腔外科のある歯科医院を受診してみましょう。