歯石が健康を脅かす？！
2023年3月16日
皆様、こんにちは。
北九州市小倉北区の二階堂歯科医院です。
一見きれいな歯に見えていても、歯と歯ぐきの隙間や歯の裏側に歯石が溜まっていることがあります。
また、歯石は歯磨きでは取り除くことができません。
そして、歯石はお口の健康にとって非常に厄介なものです。
歯石とは
歯の表面で細菌が増殖すると、ネバネバした歯垢(プラーク)ができます。
歯垢の中で、むし歯菌や歯周病菌が酸や毒素を出し、むし歯や歯周病の原因となります。
歯垢が唾液に含まれるカルシウムと結びついて石灰化し、2日程度かけて石のように硬くなってしまったものが歯石です。
歯垢は歯磨きで落とすことができますが、歯石になってしまうと歯磨きでは落とすことができません。
歯石がもたらす悪影響
歯石がついた歯の表面はザラザラしていて汚れがつきやすくなり、細菌が増殖しやすい環境になります。
そのため、むし歯や歯周病、口臭の原因となります。
とくに、歯周病への影響は大きく、歯石の付いた歯ぐきは歯周病菌の出す毒素によって炎症を起こし、腫れて赤くなります。
また、炎症によって歯ぐきが下がって歯の根っこの表面が露出すると、知覚過敏の症状が出ます。
さらに歯ぐきが下がると、歯を支えている骨まで炎症によって溶かされて歯がぐらつくようになり、最悪の場合は歯が抜けてしまうこともあります。
ほかにも、歯周病菌は歯ぐきの血管を通じて全身の血管を傷つけ、脳梗塞や心筋梗塞、誤嚥性肺炎、糖尿病を発症・悪化させるリスクもあり、全身の健康にも悪影響を及ぼすことになります。
歯石を取る・予防する方法
このように、歯石を溜めるとさまざまなトラブルのリスクを高めてしまいますが、できてしまった歯石はご自宅で除去することはできません。
ご自分で無理に歯石を取ろうとすると、歯の表面や歯ぐきを痛めてしまいますので、歯科医院で除去してもらう必要があります。
歯科医院では「スケーラ」という専用の器具を使って、歯や歯ぐきを傷つけずに歯石を取り除くことができます。
ご自宅でのセルフケアでは、歯垢を残さないように丁寧に歯磨きをすることで歯石を予防していきます。
一般的には「下の前歯の裏側」「歯と歯ぐきの境目」「上の奥歯の頬側」に歯石が溜まりやすいと言われますが、歯並びや生活習慣によってどの部分に汚れが残りやすいかは違いますので、歯科医院でクリーニングの際に、どの部分に汚れが残りやすいのかを聞くと良いでしょう。
また、どれだけ丁寧な歯磨きをしていても、歯石を完全に防ぐことは難しいので、定期的に歯科医院で歯石除去をすることをお勧めします。
適切なケアで歯石を除去しましょう
このように、歯石を溜めてしまうとお口の健康だけでなく、全身の健康まで損なう可能性があるため、歯石予防・除去はとても大切です。
ご自宅での丁寧な歯磨きと歯科医院によるプロのケアによって、歯石を溜めないようにしましょう。
